認知症は、脳の病気や障害により認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。単なる加齢による「もの忘れ」とは異なり、記憶力、判断力、言語能力、実行機能などが総合的に低下する疾患です。現在、日本では高齢化社会の進展とともに認知症患者数が増加しており、2025年には約700万人に達すると予測されています。
当院では最新のMRI装置による脳の詳細な検査を通じて、認知症の早期発見・早期診断に力を入れています。「人間愛」をベースとした医療理念のもと、患者様とご家族の不安に寄り添いながら、最適な医療サービスを提供いたします。
こんな症状の方はご相談ください
- もの忘れが頻繁になる、同じことを何度も聞く
- 大切な約束を忘れる、最近の出来事を思い出せない
- 言葉がうまく出てこない、会話の内容が理解できない
- 計算が困難になる、料理の段取りがわからない
- 家電製品の操作ができない、運転に支障をきたす
- 道に迷いやすくなる、時間や場所がわからなくなる
- 季節感がなくなる、慣れた場所で迷子になる
- 性格が変わる、怒りっぽくなる
- 不安や抑うつ気分が続く、被害妄想が現れる
- 徘徊や不眠などの行動変化
- 置き忘れやしまい忘れが増える
- お金の管理ができない など
これらの症状は単独で現れることもあれば、複数が同時に現れることもあります。症状の程度や進行速度には個人差がありますが、日常生活に支障をきたし始めた場合は、専門的な診断を受けることが重要です。
認知症の種類と特徴
アルツハイマー型認知症
最も多い認知症で、全体の約60-70%を占めます。脳内にアミロイドβやタウタンパクが蓄積し、脳の神経細胞が徐々に死滅することで発症します。記憶障害から始まることが多く、徐々に進行していきます。
血管性認知症
脳梗塞や脳出血などの血管障害により発症する認知症です。症状の現れ方にムラがあり、段階的に悪化するのが特徴です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病との関連が深いため、予防可能な側面もあります。
レビー小体型認知症
レビー小体という異常なタンパク質が脳内に蓄積することで発症します。幻視や歩行障害、手の震えなどのパーキンソン病様症状を伴うことがあります。認知機能の変動が大きいのも特徴の一つです。
前頭側頭型認知症
比較的若い年齢で発症することが多く、性格変化や行動異常が目立ちます。言語障害を主症状とするタイプもあります。
検査と診断
当院では、認知症の正確な診断のために以下の検査を実施しています。
問診・認知機能検査
詳細な病歴聴取と認知機能評価スケールを用いた検査を行います。日常生活での困りごとや症状の経過について、ご家族からの情報も重要な診断材料となります。
当院では、認知症のスクリーニング検査として長谷川式認知症スケール(HDS-R)を実施しています。この検査は、日本で広く用いられている信頼性の高い評価方法で、約10分程度で実施できます。
長谷川式認知症スケールの検査項目
- 年齢:ご自身の年齢をお答えいただきます
- 日時の見当識:今日の年月日、曜日をお答えいただきます
- 場所の見当識:今いる場所をお答えいただきます
- 言葉の即時記憶:3つの言葉を覚えていただきます
- 計算:100から7を順番に引いていく計算をしていただきます
- 数字の逆唱:3桁の数字を逆から言っていただきます
- 言葉の遅延再生:先ほど覚えた3つの言葉を思い出していただきます
- 物品記銘:5つの物品を見ていただき、隠した後に何があったか答えていただきます
- 言語の流暢性:野菜の名前をできるだけ多く挙げていただきます
評価方法
30点満点で評価し、20点以下の場合は認知症の疑いがあると判断されます。ただし、この検査はあくまでスクリーニング(ふるい分け)検査であり、診断を確定するものではありません。検査結果に応じて、MRI検査や血液検査などの精密検査を組み合わせて総合的に診断いたします。
MRI検査
当院の最新MRI装置により、脳の萎縮や血管性病変、腫瘍の有無などを詳細に調べます。アルツハイマー型認知症では海馬を中心とした側頭葉内側の萎縮、血管性認知症では梗塞巣や白質病変などの特徴的な画像所見が確認できます。
血液検査
甲状腺機能低下症やビタミンB12欠乏症など、治療可能な認知症の原因を除外するために実施します。また、認知症の原因疾患を示唆するバイオマーカーの測定も可能です。
心電図検査
心房細動などの不整脈は血管性認知症のリスク因子となるため、心電図検査も重要な検査項目の一つです。
治療とケア
認知症の治療は、薬物療法と非薬物療法を組み合わせて行います。
薬物療法
アルツハイマー型認知症に対しては、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬による治療を行います。これらの薬剤は進行を遅らせる効果が期待できます。血管性認知症では、再発予防のための抗血小板薬や血管危険因子の管理が重要となります。
非薬物療法
認知機能訓練、運動療法、音楽療法、回想法などにより、残存機能の維持と生活の質の向上を図ります。規則正しい生活リズムの維持や、適度な社会的交流も症状の進行抑制に効果的です。
生活習慣病の管理
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は認知症のリスク因子となるため、当院では内科的な管理も併せて行います。食事指導や運動指導により、総合的な健康管理をサポートいたします。
早期発見の重要性
認知症は早期発見・早期治療により、進行を遅らせることができる疾患です。軽度認知障害(MCI)の段階で適切な治療を開始することで、認知症への進行を防いだり遅らせたりすることが可能となります。
当院は秋津駅から徒歩30秒という便利な立地にあり、ご高齢の方にもお気軽にご来院いただけます。些細な体の変化でも気になることがございましたら、遠慮なくご相談ください。専門的な治療が必要な場合は、高度医療機関への紹介も含めて、患者様にとって最適な医療を提供いたします。
認知症は患者様だけでなく、ご家族にとっても大きな負担となる疾患です。医療法人社団Human Loveが運営する当院では、豊富な経験と専門知識を持つスタッフが、患者様とご家族の皆様をしっかりとサポートいたします。気になる症状がある場合は、一人で悩まずに早めの受診をお勧めします。